Midas M32 ( Behringer X32 ) でQLabを操作する #01

§0 はじめに

今までPAの再生現場(所謂タタキ現場)と言えばMD、CD、若しくはCTR、歴が永い方であればオープンリールを再生すると言うのが当たり前でしたが、昨今では音楽をデータでもらってPCまたはMacで再生すると言うのがデフォルトになりつつあると思います。
当方も今となってはCDプレイヤー等は持って行きません。持って行きたくありません。
理由としては、CD-R(若くはPC) が普及しすぎた弊害で、以前のようなクオリティが望めなくなった事も一つだと思います。せっかくCD-Rで持ってきてもらってるのに、その録音方法に難があって音質が悪かったり、前後の「素」の部分が多くてAuto Cueで回避しようにもノイズレベルが高すぎて使えなかったり、ファイル形式が.mp4で書き込まれてたりと、そう言う経験をした方も多いと思います。
また光学ドライブの不安定さから、CDを1枚しか使わない現場であっても、バックアップのCDプレイヤーを用意するのが定番となっています。
そう言った理由もあって、最近ではFigure53社のQLabと言うアプリケーションをメインで使っています。QLabはmacOS用に開発されたアプリケーションです。
QLabを使い始めた当初は「iTunesよりは便利だな」くらいで、再生機のうちの一つくらいだったのですが、そのポテンシャルを最大限に発揮するためにたくさん勉強したので、忘備録的な感じで綴っていこうと思います。QLabは無料版でもタタキならば充分使えるので、是非DLしてもらえればと思います。

まずは、QLabの操作から。

§1 QLabの基本設定

上記のウェブサイトからQLabをDLしてインストールします。
因みに現在使ってるのは「macOS 10.15.7]「QLab 4.6.11」です。
で、アプリを開くとこう言う表示になると思います。
とりあえず「New Workspace」をクリックします。
こう言う表示になります。
ドラッグ&ドロップで音楽ファイルを取り込めるのですが、今回はこのスピーカアイコンの「Audio」をクリックします。
下段の「Basics」タブの「Target」の欄をダブルクリックすれば音楽ファイルを取り込めますので、ファイルを選択します。
これを繰り返して、必要な曲全て取り込みます。
次にその音の出力先を指定します。
「Audio Level」タブでその指定ができます。
今回はとりあえず、チェックの意味でMacのスピーカーを選択します。
ここまでの作業で曲の再生はできるようになりました。
デフォルトでは「スペースキー」を叩けば、選択されている曲が再生されます (左上の「GO」をクリックしてもいいです)。
ただ、QLabでは複数音源の同時再生が可能なので、例えば曲の再生中に他の曲を叩くと、2曲同時に再生されてしまいます。
これを回避するために、「Triggers」タブの右側の「Fade & Stop」のチェックボックスにチェックを入れます。
このチェックを入れた曲を再生すると、その時に再生されている他のAudioファイル (peers選択の場合) はフェードアウトの後に停止されます。
この時の「over time」はフェードアウトタイムで、「0:01.0」に設定されていたとすると、それまでに再生されていた曲は1秒かけてフェードアウトされ、1秒後に停止されます。
※追記
流れている曲を強制的に停止させるにはキーボードの「esc」キーで全てのCueが強制停止します。
Panic Allと言う機能です。

これまでの作業で、PAさんが使うであろうQLabの基本的な設定は終了です。
1曲目をセレクトしてスペースキーを叩き続ければ、次々と曲が再生されると思います。
設定自体も慣れてしまえば、20曲程度であれば5分もかからないと思います。


※記事に間違いや、誤解を与える表現、さらに便利な方法等があれば、コメントにて教えて頂けると嬉しいです。質問等もコメント欄にお願いいたします。

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